ツバメ
umineko
ツバメが
車庫を低く飛び
チチッ
チチチッ
ふるさとは
ツバメの里だ
雨上がりの透明なそらを
自在に
いつだったか
納屋の真ん中に
ツバメが巣をつけて
ま
それも仕方ないか、って
その夏
納屋の真ん中は
彼らのために空けられた
私は
言えなかったけど
それはすごく誇らしかった
子供心に
みんなが少しづつ
ゆずりあって生きること
教えてくれた父親を
今日
納めにいきました
チチッ
チチチッ
私たちは変わっていく
あなたたちも
地球は
たぶん長くない
いつかはこの場所も
あなたたちの
居場所なんて
どうでもいいよね
あなたは飛ぶ
私は生きる
美しく交差して