風騒(1)
信天翁

          わびしいことだが
  もはや 純白と漆黒のネクタイ以外
   格子柄も水玉模様も不要となった 
いま タナトスの掠れた呼び声の合間で
       過ぎ行く日々への愛惜と
      あすへのつつましい想いは
     滝となって切れることがない
      あゝ いとおしいことだが
   紫陽花が酸性の小旗を掲げている
        見栄えのしない庭隅で


自由詩 風騒(1) Copyright 信天翁 2007-06-09 21:41:47
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