機
結城 森士
揺れる雑草が笑って朽ちる
滲む太陽が泣いて沈む
死に絶えた魂が此処に
血を吐きながら腐りゆく
俺は生きながらえて
ただ腐敗を待つ
退路を断たれた魂よ
地に堕ちた精神よ
失われた感情は
此処に生きる
きっと感情は
誰かに配達されるだろう
透明な水が注がれ
俺の意識は消える
今まさに
見えない透明の水が数滴
食器棚からぽたぽた落ちている
そしてこれは停電だ
俺は何処かにいる
自由詩
機
Copyright
結城 森士
2007-06-09 16:59:02