「アリュール」

汚（けが）れならば五月雨川に流せりと誘ふその手は梔子（くちなし）に似て


　　「ブラック」

黒髪に触れし指先奏づるは重なる肌のあつき旋律


　　「プワゾン」

くちづけで愛しさ溶かし口うつし灼けつく胸はただ君ゆゑに


　　「エゴイスト」

そのあかき君の林檎のわづかなる蜜をくれぬかわれのみがため


　　「コントラディクション」

愛さけぶふたつの躯（からだ）かくまでも違（たが）ひしものと抱（いだ）きて知りぬ

　
　「ミル」

幾千の夜のとばりを引き開けて露（あら）はに見ゆる心の柔（やは）よ


　　「エスケープ」

息継ぐと途切れる夢ならこの夢にすべてを置きて君と駆け入る　


　「エタニティー」

かねてより永遠（とは）なきが世と聞きしかば願はくは絶えぬいたみだにあれ