チョン 2
砂木
取っ手は行ってしまった
バイクの音がかすれた墨汁を片足で飛ばす
埠頭の上でバケツは
なわばしごの底にくるまれた
千鳥足の洞窟を
掘り起こすため釣りをしていた
エンジンのトマトは酢をかじらされ
マヨネーズに失言を詫びる
妬いてみます ただで
遠くに白くみせてるのが船だ
縮んでは 休んで
旅の途中のコルクに
一個 十円が相場だと
チリマヨを すすめている
帰りに寄らせてもらうよ 旦那
コルクは 軽く帽子をとる
蒼い海の洞窟の中
どこへもいけないバケツが
夜空を知らずに夜の中にいて
ぽとりと 零れたお話だけ
ぽつりと 途絶えた話だけ
にこにこと きいている
腕時計の中
おりていく風
もどらない
けんけん
ぱっ