瞬き
山中 烏流

ゆらゆらと揺れる
木々の間で
風に吹かれて
瞬きを思い出す
 
一つ、ぱちんと
音をたてて
瞬きをしてみると
風がそっと
頬にキスをした
 
 
吸い込まれそうな
深い、青の下で
何度も
何度も瞬きをして
 
その刹那の断片を
全身で感じとる
 
 
 (息を吸う/吐く)
 
 (風を聞く/吹く)
 
 
染められそうな
淡い、赤の下で
何度も
何度も感じ取って
 
その刹那の断片を
脳裏に焼き付ける
 
 
 (空を見る/見つめる)
 
 (陽を受ける/吸収する)
 
 
ざわめいたように
空を隠す木々は
まだ、ゆらゆらと揺れて
風が吹く度に
私は瞬きをする
 
 
 (ぱちん、ぱちん)
 
 
私は、瞬きを、する
 
 
 (ぱちん、ぱちん)
 
 
私は、瞬きを、する。


自由詩 瞬き Copyright 山中 烏流 2007-06-08 16:42:24
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