雨音
小川 葉
軌道を外れて落下する雨
待ちこがれる傘
からだを露骨に紅潮させ全開となった傘を
雨が狂ったように激しく打ちつける
すべてが終われば傘は
からだに付着した雨を丁寧に振り払い
雨は何事もなかったように軌道へ戻ってゆく
軌道上にあらわれた虹を確認し
傘は静かに閉じる
自由詩
雨音
Copyright
小川 葉
2007-06-08 03:33:15