白い雪降りの日
麻生ゆり
その日は限りなく純白で
限りなく静寂だった
まるで雪が色と音を吸いとってしまったかのように
真っ白な空から降ってくる真っ白な雪は
やっぱり真っ白な白砂糖のようで
白い湯気をたてる紅茶の気分になった
今日は<プリンス オブ ウェルズ>でもいれようかな
曇った窓も白かった
青空だって白かった
そして僕のため息さえも…白かった
雪が積もる 雪が積もる
地面にも家々の屋根にも木の枝にも
雪が優しく包んでゆく
もちろん僕の体にだって
雪の白に染まってゆく
ー僕の罪は流れたのかな?
雪が積もった 雪が積もった
真っ白で何とも言えず美しかった
これを一人占めしちゃいけないね
あなたもあの人もあんな人も
みんなをよんで一緒に見たい
「綺麗だね」って白い息をはきながら
みんなで一緒に言いたいね
こんなに白い雪降りの日には