六月
ふるる

六月の薄い胸に
雲の痣が白く浮かび上がる

体育座りの女の子の膝のような
山々は
深緑にけぶる

出発するはずの電車は
死んでしまったかのように動かない

信号機はうなだれ

やがてそこここに
雨粒は
垂れ、落ちる
垂れ、落ちる

山々を遠景に背負い
濡れた街が
ひっそりと立ち上がる


自由詩 六月 Copyright ふるる 2007-06-07 22:22:04
notebook Home 戻る