砕け散る空気の終わりに
鈴木カルラ
空気、それは砕け散る、そして、その終わりに、永久に考え続けた真実と、今はいない人の精神が見た現実が、愛される夜と、望まれた時間すらも、その向こう側へ去ってしまう、
私は壊れる空気の破片の幻想を夢見る、
たぶん、眩しい太陽は、現れて、そして、空気の内部に見ることができたのだろう、そこでは、それは目に見えて、光が空気の塊を砕いてゆく、原子のサイズで、裂いてゆくのだろうことを、
そうだ、まて、このイメージを私が知らなかったのか、そうであろうことも、これからのことも、もし、脳裏に焼きついてしたとしたら呼び戻すべきだろうか、その必要は、それもいいだろう、
今にして思えば、精神病者は、無情に空気のすべてに酔い、その空気の一粒を望み続けた、彼は、将来において、たった一度予言した、――使い古されている正義は消滅し、今に意味を持たないものと、この瞬間のみが残る、そして、下界を祝福する春はすでに来ることはないであろう、なぜなら楽園には空気の破片がキラキラ光る鋭いガラスのように、閃光を放つ火球の飛礫となって降り注ぐはずですから―― と、
しかし、どうであれ、それのために追い越された未来が弁明すべき劇場はもう無い、
嫉妬深い結果が、早くも、このように、ともかくも、喋りだしてしまっている、――今はもう、空気の破片の順序が狂うことは無い、整然とする世界が広がるために欲望するものは揃っている、始める必要は無く、冷酷に変わらぬ時間を見ていればいい、たとえ空気の一粒一粒の未来を占うとしても、祈るとしても、避けられない、そして、あるいは、普遍性へのいかなるものも昇華させてしまった、今となっては――
そうなのだろう、私のみでなくすべての人々も、そうだ、不愉快と知っていても、今と、この瞬間でさえ思い出すのだ、最初から決められていた、その心によって刻まれたイコンとして、それが、激しく具現化しただけのことして、私たちは、ただ、受容するだけでいい、それを享受するしかない、
そうなのだから、ならば、歌おう、私は折れた愛情をもって、先例がない慈悲について歌うだろう、終わりの季節を祝うために、
そして、私が、私の唇にふれる空気の破片で、唯一、その感触を留めるべき証し、その火球のような空気、その鋭いガラスのような空気を、流れ出る天国への追悼のために、記憶しておこう、
永劫の未来は終わっている、今、この瞬間だけがある、繰り返し、繰り返し、この感触の記憶を吟味しよう、
今、この瞬間の空気は砕け散ってしまったのだから、