帰途
唐草フウ

人ごみの平日はどこにも排気口がなくて
呼び捨ての間柄がどれくらい大切なことかを知った
ひとりで歩く 眩しさが送っている

啓蒙とかスピリチュアルとか癒しとか
生き方の模索
悲しみの何割かは忘れるとわかっても
弱みに誘惑される 人もいる
揺れそうになるのは 正直否めないから
だからこそ
歩こう


足の届かない いすに座って
振り子のように
待ち惚けて
あんな時あったな
何を想ってたのか
ふりかえれば少し
やさしさが痛い


話したいけど話せないことが増えたね
そばにいたら
それだけでいいと思うから

帰りのバスで
いつもの夕日
どうか、と願うと同時に
ひとりでも大丈夫、と言い聞かせてみる





自由詩 帰途 Copyright 唐草フウ 2007-06-06 12:25:43
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