いやなきもち
アンテ


あたまのなかが
いやなきもちでいっぱいになって
ねこんでいると
みぎのみみから
たねがころがりおちた
いやいやにわにうえて
いやいやみずをやると
いやなはながさいて
たねがひとつできた
もういちどにわにうえて
あやまりながらそだてると
なんとかふつうのはながさいて
またたねがひとつできた
にわにうえて
たいせつにそだてると
きれいなはながさいて
できたたねをもっとたいせつにそだてて
とくりかえすうち
はなはどんどんきれいになって
でも あるあさおきると
はなはだれかにつみとられていた
あたまのなかが
いやなきもちでいっぱいになって
ねこんでいると
ひだりのみみから
はさみがころがりおちた
こうこくやしんぶんをきりとって
かみのはなをつくって
くきにくっつけると
なんだかとてもいやなかんじだった
きもちをこめて
なんどもなんどもつくりなおすうち
かみのはなはずいぶんよくなった
えんがわにすわって
ながめていると
あめがふりだして
かさをさがしているあいだに
かみのはなはぐしゃぐしゃになった
やっとかさをみつけて
あめのなかでたっていると
なみだがながれだして
とまらなくなった
ぽたぽたおちて
あまみずといっしょに
はいすいこうにながれていった





自由詩 いやなきもち Copyright アンテ 2004-05-11 01:24:17
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