心の断片ども
麻生ゆり
あの頃
私は何をしていたんだろう…?
眠れない夜
ふと振り返ってみた
あなたは知りはしないでしょう
私がいかにあなたを好きでいたか
私がいかにあなたを恨んでいたか
いつまでもあなたは知ることはないのです
なぜならあなたのお心は
私のもとにはないのですから
あなたの姿が見たかった
あなたの声が聞きたかった
今となっては叶わぬ願い
あなたの姿はもういない
悔やんでも悔やんでも
あの日決めたことは取り返せない
こんな瞬間が来るのなら
もっとあなたを心の中に
刻みこんでおけばよかったよ
もう映ることないあなたの姿を
あなたの隣の場所は
やっぱり私の居場所じゃなくて
あの日それを確認しました
もうどうしようもないんですね
でもほかになかったのかな?
あなたに恋したその日から
私はあなたに全てを注いだ
そうすることが私の願望
あの時からもうこんなにたつんだね
「あの時何も言わなかったら…」
後悔はしていないけど
変わらないままがよかったかも
「あなたにとって私は何?
ここに私はいてもいいの?
解らないから答えてほしい」
あなたに想うもどかしさは
全て私への怒りとなって
心の内に降り注いだ
未だにそれが痛いです
託した思いを今とき放とう
思い出を記憶に変え
あなたと共にあった日々を
忘れられるように
あなたと私に“これから”はなく
ただただ遠ざかってゆくばかり
“これから”ずっとそうだろう
重ねられた言葉はもうはるか
月への涙も還らない…