乙女心の分らぬ男に詩を書く資格は無いかもしれない
松本 卓也

こんな時どうする?
と言うような心理テストで
気の利いた言葉一つ思い浮かべず
見て見ぬ振りでお茶を濁す
きっと求められた答えとは
かけ離れていると思ったけれど
それが何より自分らしかったから

罵倒なんていうレベルじゃないほど
否定されたのは存在そのもの
笑い飛ばすほど神経は図太くもなく
刃向かうほど度胸も据わってない
小心者が一匹居りまして

心の中で幾つも思い浮かぶ
言い訳を一つくらい吐き出そうか
でもどうせ理解されないのだから
でもどうせ説き伏せる気はないのだから

何よりも今以上独りきりになりたくない
分かり合えないのははっきりと思い知っている
どれだけ強固に柔軟に自我を形成したとしても
孤独は容易に壁を切り崩していくのだ

愚痴でさえ哀れみを含んだ慰めを誘わず
溜息で逃げていくほどの幸せは持っていない
空気が読めないのは与えられた才能と割り切って
だけどそうあり続けたいわけないじゃないか
笑っているのも震えているのも本心じゃないし
気取るほど自惚れているように見えるのかい?

分らない事が多すぎる
結果から導かれる展開などに
どれだけの意味を持たせるかなんて
例え貴女方に媚びた所で
一つでも見返りがあるのか問いたい

笑ってるように見えるほど
泣き出したい気分なんだけどな

困っているように見えるほど
逃げ出したい気分なんだけどな

分る事にどれほどの意味があるんだろう
だって大切に思えるほどの絆でもないじゃないか
面白がっているだけだというのなら
如何様にも自然体を演じきろうじゃないか

心が見えない今のまま
詠う詩に価値が見出せないのは
何も貴女達ばかりじゃ無いだろうけど
そんな資格に何の意味があるのか
どうか教えてくれませんか?


自由詩 乙女心の分らぬ男に詩を書く資格は無いかもしれない Copyright 松本 卓也 2007-06-05 23:39:22
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