都会の温かさ
ぽえむ君
駅までは歩いて十数分
雨の日は五分も待てばバスが来る
車と人の道も分けられて
目的地までは
黙ってまっすぐ進めばよい
この道は
多くの人のために作られた
そしてこの道には
多くの人が歩いている
これだけの人がいるのに
道の上では話し声が聞こえない
隣の車の道から
煙を出す音と匂いしかない
駅からは歩いて数キロメートル
家に着くまでコンビニが三軒
買いたい時にふらりと入って
目的のものを
黙ってそのまま買えばよい
この道は
便利のために作られた
そしてこの道には
多くの人が利用する
これだけの人が使っているのに
この小さなお店でほとんど事足りる
「ありがとうございました」
マニュアル通りの声と笑顔しかない
茶色の薄いビニール袋に入った
お弁当だけが温かい