月の朝(あした)
リーフレイン

ー盲目ー
まだ陽の上らぬ未明の朝
風紋が鮮やかに浮き出る灰色の砂丘を
暁の月へとむかう 黒烏


凄絶な月の海に至る道は
煌々と白い光に照らされて
泥だらけの足で踏みこんではいけない


ー失語ー
可聴できない月光の音が
砂の上に紋を刻んでゆく
あれは風ではなかった
月がしたたり落ちて
発話できない言葉を残していった


波打ち際で繰り返し
ぼろぼろの足を洗い
爪の間流れる水ひりひりと
ようやく満足のいく足で
道 踏み出そうとすれば  もうそこに
赤黒く染み込んだ穢れを見つけ途方にくれる  


ー手無しー
杖持たぬ犬 月の朝 烏が鳴いた


そら 空 ソラ!


自由詩 月の朝(あした) Copyright リーフレイン 2007-06-05 10:23:42
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