ときの流れ
あずみの

あのとき雪を頂いていた山はもう
緑もずいぶんと深くなって

あのとき枯れ草を敷き詰めたようだった田はもう
水が張られて田植えの準備が整い

あのときどんよりと重く垂れ込めていた空はもう
蒼く澄み切ってどこまでも高く

あのとき世界の何もかもに絶望していたわたしは
きっと
わずかの希望を見出してここにいる


自由詩 ときの流れ Copyright あずみの 2007-06-05 07:39:19
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