夜の飛行場
Rin K





夜の飛行場には
サヨナラが点在する
携帯電話のキーのような
小さな光の形をして

滑走路を疾走するもの
引き離されるもの
雲に呑まれるもの
星になるもの
僕らの住む街の
動かぬネオンよりも
孤独だけれど、澄んだ煌きが
交錯する場所

 きれいだね
   きれいだね
手と手を重ねるように
言葉を重ねあう
目で追う光は
空中で行きわかれ
それでもまた
同じ言葉を重ねて
違う身体を重ねて
今夜も僕らは、ただ
同じように生きようとする

夜の飛行場には
サヨナラが点在する
見つめているだけで
君が飛び立ってしまう気がして
背中を抱きしめた
そこには、翼の欠片もなかった

よかった、なんて ごめん





自由詩 夜の飛行場 Copyright Rin K 2007-06-05 00:28:45
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