少女A
山中 烏流

ゆるすことにつかれてしまった
ひとりのせいめいたいは
とけいのはりをおって
じかんをとめて、しまった
 
はりとはりのあいだで
だれかをまちわびている
そのまま
うずくまっている
 
 
せかいにつかれてしまった
ひとりのせいめいたいは
まぶたをぬいつけて
しかいをとじて、しまった
 
とざされたやみのなかで
なにかをさがしている
ひとりで
もがいている
 
 
あいすごとにいたみをかんじた
ひとりのせいめいたいは
こころをこわして
すべてこわれて、しまった
 
がれきのやまのなかで
ひかりをもとめている
なみだを
のみこんでいる
 
 
こわがって、いる。


自由詩 少女A Copyright 山中 烏流 2007-06-04 08:44:10
notebook Home 戻る