都会詩
秋也

赤坂
佇む
電波塔
赤い
夜にライトアップで
ドレスメイク
浜離宮
綺麗
綺麗
見とれて惚ける
赤い巨塔
登って
見たんだ
夕焼け
港区を紅く覆う夕焼け
喰われていた
残酷に
僕も
東京タワーも
増上寺から経が聞こえる
まるで
巨人が臥せる時のような
拙く
寂しい
鎮魂歌
夕焼けに
赤に
暴行された
降りては
聞こえる
街の風
騒がしいようで緩くて
ぬるい
そうだ
そろそろ六本木へむかわなきゃ
今なら
ヒルズも喰われて
空に血を流しているのか
着くころには
星が見える
「東京には空がない」と愛する君がいう
何度か聞いた台詞
知っているかい
都会に見える数少ない
星は
巨人たちの骨なんだよ
欲望も
焼けば
見えにくい
夜でも明かるいから
トボトボ歩く
僕も
空に
赤をゆっくり流して
夜空に輝く骨となれ
どこかでクラクションが反響する
心地いいね


自由詩 都会詩 Copyright 秋也 2007-06-03 02:23:13
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