きらめく
山中 烏流

鼈甲色の
瞳孔を携えている
その眼は
 
暇潰しにと
塵を捕らえて
いたずらに、世界を白く
光らせている
 
 
塵と塵の狭間に
取り残された僕は
 
四方八方に飛散する
カラフルな電波を纏って
夜の海の中
あぶくを、生み出していく
 
 
 (白くきらめく、それは)
 
 (包むのではなく)
 (ただ)
 
 (流れている)
 
 
窓からの光に
手を翳す、その前に
空虚を飲み込まなくては
 
ブラインドの陰で
独り善がり
 
 
 (僕が)
 (世界が)
 
 (その、先が)
 
 
つまみ上げたものが
べたべたとしていても
それが
鼈甲色だったとしても
 
塵は決して
きらめくことを
止めたりはしない
 
 
瞳孔が
僕を捕らえて
睨み始めたからといって
 
時は既に
 
 
 (ブラインドを)
 
 (潜り抜けて)
 
 
世界が
真っ白に、きらめく
 
 
 (捕らえて)
 
 (離さない、)
 
 
噛み砕いたそれさえも
 
きらめく
きらめく
 
きらめいて、しまう。


自由詩 きらめく Copyright 山中 烏流 2007-06-02 21:21:05
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