せんこう
ICE

覗く穿孔の先
しろい魚がいて
半透明の皮膚を
鈍く光らせては

時々憂鬱そうにそらを仰いだり
恨めしく心火に身を焦がしたり
何時にか逃げてしまったけれど


伺う穿孔の先
しょうじょが
透ける薄物のドレス
散り散りに

体を捩りながら必死に悶えては
急いで髪を梳いてあげなくては
そちらへ指一本通せないけれど


臨む閃光の先
眩しいその先
まるで焼け跡の
紅い瓦礫の壁に


自由詩 せんこう Copyright ICE 2007-06-02 20:52:11
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