花と林檎と酒
yoyo

甘え甘えて箱入り娘
とうとう三十路ひとりきり
必死でいきないこの30年
努力しなかったこの30年
身体は衰弱し
すれすれの実態に
この支配する金
いつからか泣けなくなった
そう
残暑の頃
彼氏二人に病院から電話した
支配するものはいなくなり
そして
支配者となった
25年住んでいるこの部屋
はじめは3人だったけ
どんどん
どんどん
ばらばらになって
花散る

正確に子供の準備はやってきて
赤い林檎を薄くカットする
言い訳のいいすぎたあたしの
我侭すぎるAメーン
日射病で体は燃え
やがて法事の報告がくるだろう
花枯れゆく

あの時一緒に晩酌してたらもっと
後ろ姿が晩御飯をおいしかった筈さ
林檎をかじって
部屋にこもる


自由詩 花と林檎と酒 Copyright yoyo 2007-06-02 10:15:44
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