雨
麻生ゆり
雨は良い
木々や草花を潤すだけでなく、
ときに人の心をもすら、
潤してくれるから。
私は病をかかえている
不治なのかもしれないし、
そうじゃないのかもしれない。
だけどそんな自分が不甲斐なく、
自分を罰したいときもある。
そんなときは雨に打たれるのだ。
雨に打たれていると、
徐々に心が透明化してくるような錯覚に陥る。
透明化した心は、
きっととても美しいのだろう。
そして私自身も、
美しくなれるのだろう。
私は醜い。
エゴばかり抱き続けている。
そして心象風景にはいつも、
バグが住みついている。
バグは綺麗な心を、
黒くさせて満足している。
そんなバグを、
私はいつか無くしたい。
その手助けが雨に打たれるということなのだろう。
雨は良い
木々や草花を潤すだけでなく、
ときに人の心すら、
潤してくれるから