記憶
蒼木りん
わたしがわたしであることを許さない
何かに動かされ
罪の償いのなかで
わたしはまたその罪に焦れる
とても苛立つ
結論はわたしにかえるのに
わたしの肌は
やさしい
と言った人
気に入ってはいないのに
そんな言葉は別にいらない
さようなら
戦わなければ
壁の向こうの景色は見えない
受け入れなければ
苦しいまま
わたしは
わたしをあふれないように
嘘でいいから
時を止めて
真実の事実
甘くて綺麗なものを
しばらく嘗めていたい
その記憶がほしい
苛立ちの後には
虚脱
すきなだけわたしに触れて
酔いに任せて抱いてくれたなら
そのまま死んでもいい