遠い努力
ぽえむ君
かつて昔
どんなことをするにせよ
不便な世の中では
一つのことを身につけるのに
長い努力を必要とした
そこには根気と忍耐があり
常に自分と向き合い
他人とのふれあいもあった
手放すことへの悲しみを知り
人もモノも大切にしていた
そして今
どんなことをするにせよ
便利な世の中になり
複雑なことであっても
煩わしい努力をする必要がなくなった
そこには気軽さと単純さがあり
自分ではなくとも誰もができ
他人と相談する時間が少なくなった
最初の数回であきらめて
いつでも代わりが存在する
持続というものが
努力の一部分になってきた
どんなことをするにせよ
続けることは大切だけれども
持続は持続であって
努力ではない
努力の壁の前に
持続という壁が
努力の壁よりも高く
そして遠くにある