我辣波饅頭

息が白めば

祖母の指が夕日色の果実を突く

真ん丸い夕日はたちまち裸にされて

柑橘の香りを撒き散らす

白い皿もあるだろうに

漆の椀もあるだろうに

祖母は果実を皮にのせる

どんな皿もどんな椀も

祖母のむくこの蜜柑にはかなうまい

どんな皿もどんな椀も

これほど甘い果実は乗せまい


自由詩Copyright 我辣波饅頭 2007-05-30 21:57:14
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