面白人生講話
生田 稔

  面白人生講話
 
 俺は近頃何にも面白いことがないので、仕方なくこの文章を書く。

時折詩らしきものを書くのだが、何しろ暇潰しなので、碌なものはできず、女に生まれて

いりゃぺちゃくちゃ近所の立ち話もできるだろうが。近所のおっさん達、呑むことぐらい

が好きで、しきりにコップを回すだけ。
 
 俺は定年退職組で、妻はまだ勤めてる。妻が休みのときはJR鈍行旅行になどにでかける

が、日中は煙草も吸わないし、酒は健康のため、付き合いのためと心得るゆえ、まあそん

なところだ。
 
人生観について書くのは、22歳の時読んだバートランド・ラッセルの幸福論などの所為だ

ろう。トルストイのそれ武者小路実篤の人生論、亀井勝一郎の著などもよんでは見たが、

老いて白髪、今度は俺の書く番だ。
 
 書き出してから十分がたつ、あと五十分、やつっけよう。

本を読んだ数ぐらいが俺の自慢できることぐらい、その他っていえば、色の白いことと、

背は高からず低からずてことかな。だけど、さてさて何を書く。もう詰まってしまった。

 さらに5分が経つ。人生講話だから読んでいただいた方には益をってことになる.わたし

はある時期は本を読むてことは字や表現に巧みになることと考えていた、いやそれで結

構。

では結婚と恋愛ということを、ちょっくり話そうか。結婚した以上は離婚してはいけませ

んよ。何、離婚してしまつたあとで2人目3人目ですかい。そいつはいけないね、ではい

まのかみさんとは絶対に離れないということにしちゃどうです。きりがないですよ。

 女はね、顔ばかりじゃないですよ。そんなことは知ってるがつい、でしょう。じゃあ

ね、化粧もしないし、衣服も構わない女はいかがです。そんなのもきっと居ますよ。

 インターネットの掲示板の詩など見てますと、女も男も7,80パーセント恋愛を扱ってい

る、好き・愛しているなど同じことが幾度も幾度もくりかえされてる。

 こんなこと指摘したところで、また同じように愛してる愛してるでしょうね。馬鹿にし

てるのかって、いいえ決して。人類発展のためには必要ですね。そんなこと昔市電の中で

マルクス主義について話し合ってた学生の会話を思い出しますがね。恋愛は人類発展のた

めの自然の与えたエネルギーの消費だったかどうか そんなことを話してましたっけ

 デモね 女を替えるてことは無粋ですよ そりゃまあ自由ですけどね

いっも私は暇な時は ○○○なんて頭だか心だか知らないところで呟くのですが

これがおかしくてですね 笑っちゃうのです 家内がいると なんで笑うの気持悪いて抗

議してくる 病院行ってみてもらったらと何べんも言われます 家内がそばにいるときの

ほうが笑いの度合いがきつい それが困ります これが長年統合失調症てことになってる

原因なのです その点はそこまでです。


                    つづく


散文(批評随筆小説等) 面白人生講話 Copyright 生田 稔 2007-05-30 11:00:06
notebook Home 戻る