郵便
猫のひたい撫でるたま子



さよなら、あなた

夏服をありがとう


けちで、やさしい、太めのあなた

眉間にしわを寄せ、服をたたんでくれたのね

忘れ物をしてごめんなさいね


あなたの部屋から都電の音が聴こえてくるわ

なにもない夏の日

長い駅からの道

汗が首筋をつたうのを放っておいたわ

退屈を一緒に過ごしてくれたね

つまらないセックスを何度かしたね

夕方の時間が恐ろしくって

二人でバイクで出かけたね

あのままさ、憂鬱のバイクで逃げてしまえばよかったね







自由詩 郵便 Copyright 猫のひたい撫でるたま子 2007-05-30 02:06:30
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