決着
ロカニクス

戦争を終わらせていく
疲れた瞼を押してでも洗った
展望を転がしてでも
果たさなければならないことを
鼓動で作り上げた

不意に浅く刺さってくるものと対峙する
埃を拾い集めている
子供たちの眼が震え出した
破壊全てが傷つけることではない
大声でも説得の難しいものだった

呼吸が出ていく
その代わり手が止まらなくなった
諦めが面白いものと決めつける前に
諦観との意味の差異を思い出してほしい
そして温かく覚えていてほしい

眩暈を分け隔てなく配る人から走り去る
日々を積み上げていく
隣人を連れ出せなかった
思い返すのは決して誰かを裏切ることではない
裏切った後でも言えるようになった

自分の魂に見合うものは
土を剥がしていく仕事には無かった

一つずつ決着を着けていくのは
笑顔を一人ずつ増やすよりも容易く
あなたと一日ずつ暮らしていくより
のた打ち回るほど易しかった

足が薄れていく
それ以来悔やむことは生まれなくなった
これがたとえ理想のように狭い話だとしても
頭の中でさえ叶わない願いこそ
真に脆いものと言い切ってみせる

忘れるべきことは何も無い
夢中で叫び終えた




自由詩 決着 Copyright ロカニクス 2007-05-29 21:06:01
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