ビッグバン
小川 葉
夜空の星をピンセットであつめていた
明日はあなたの大切な日だからもう寝なさい
お母さんがそう言うので
私は集めた星をポケットに入れて眠った
夢を見ていた
星にはひとつひとつ名前があり
それらは点滅しながら次々と消えてゆくのだ
最後に残った星の名前を記憶したとき
私はお母さんの中にあらわれた
宇宙は静かに膨張をはじめた
自由詩
ビッグバン
Copyright
小川 葉
2007-05-28 00:56:42