珈琲
三条
珈琲を挽く夢を見た
全てを失ってただ珈琲を挽く
小さな飛行機を欲しがる友人に
口を塞がれたのよ
道の上にただ座って
わたしは珈琲を挽く
珈琲を磨く
こうするとね、
一瞬だけ、香りが戻るんだ
彼はそう言った
わたしは珈琲を磨く
珈琲を挽く
お湯を注ぐ
缶に詰めて
自動販売機に入れる
アリスのようなドレスの姉妹が
ふざけながら買って行く
わたしは珈琲を挽く
わたしは珈琲を挽く
全てを失ってただ
ただ
自由詩
珈琲
Copyright
三条
2007-05-27 23:34:38