継ぎ目
iloha

あの棒と棒との間には
僕の知らない空間が
ごうごうと
連なっている
足を踏み入れると
現れた奥行きに
視界は吹き飛ばされ
触れることのできない見取り図
触れることのできない誤謬が
響きあい
左から右へ
ぎこちなく重なりあいながら
移動していく継ぎ目は
僕を穴ぼこだらけにしてしまう。
眩しい朝の雷雨のように
時間は止まったまんまで
腑抜けた身体が照らしだされる
緩やかなランプの明滅
温い鉄格子に
人びとの思い出が滲んで
辛抱づよく待っている
あなたを振り返り、
光の渦のなか
黄緑色のラインを探している。


自由詩 継ぎ目 Copyright iloha 2007-05-27 16:50:21
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