ゲニウスの響き
モーヌ。



ヴィルへルム・F の それの ような

白い タクトが

曖昧な ままに くうを 振って

プロムナード・ウォークの テンポに

からだと リズムを 泳ぐと

扉を ひらく 身振りに まかせながら

つむられた まぶたの 大陸へ

ひるがえって 進む キャラバン は

カフェ・オ・レの 色彩と 瀰漫する 卓子と を

カップの けむりに 放浪して いる





やがて はためきつつ

ひっそりと 歩み はじめる

ありあけの 道

首都の 夢幻は ふしぎな ほどに

森蔭の 衣擦れが して いる

さわ さわ

薄雲を 通した やわらかな 攪拌

おうぎの ような ひろがりと 天とを 結ぶ

けやきの 唄と 響き

さわ さわ

そこには 空中ブランコ乗りが いる





ここに います と

ブランコの 物蔭で ささやいて

音の ステッチを 船出 させて

船を そのままに ゆかせて

とおい 約束の地の ような

男の子みたいな 女の子

男の子と 少女は 出逢い

少年は 少女を 追いかけた

どうしてか

きょうは 見ることが できる 航路が

目覚めを 呼んで 走って いる

木漏れ日の まぶしさを 連れて





_どこへ? ......

そんな 答えのない問い は

もう 問われない

ぼくらは “どこへ”と ターン する

薄曇りの ひかりが 軽く やわらかい

眼を 細めて いて

また けやきの 少し 大きな

木の葉の 擦火 するのを 聞いた

聞いた ひとが はじめてに なる

黎明の 鳥の はじめの 一声が して いる










自由詩 ゲニウスの響き Copyright モーヌ。 2007-05-27 07:35:17
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