連詩 「第二土曜日」
山田@連詩席亭

5月8日於リアルタイム会議室A
参加者  山田せばすちゃん、あざれあ、nm6、川元緋呂子、折釘、サラ
誰がどの連を担当したかは例によって秘密



繰り返していることに着陸して気づかない
暮れて眺めていると 行方不明になってしまって
第二土曜日には
少しだけ慣れて 落ち着きはらった風情です

木に 秋しか目がいかないこと
は 落ち着いていることなのだ と
言った日は
美術館の帰りで
ただこれが 南天の木ならば
先の喫茶店も

その先の交差点さえ、
咲き誇ることに気づかないように、
そして降るものにすら 目をとめないままに
   (うっすらと)

季節は移ろう
繰り返すさまに
目は奪われ
時は降り積もる

時は嘘をつかない
人は嘘をつく
ならば人を信ぜよ
裏切られても騙されてもいいと
思い切れる人のみが
信じるという言葉を使うことが出来るのならば

 (たち震えるまま)
 (すこし道化ていてもよい)
思い儚い都会の面妖
遠く迫る愛を宣する影に迫られ
雨にどこまでも寄り添われ
知っていたものみな統べる
わたしは せめて信じない

道化は
いちばん信じている

雨は包んでいる と信じ
包まれている 咲きかけは

の前を通り過ぎる人を
統べていること

そうね すべてのものを落とすままに
 凪ぎの予感だけ 胸においたまま
  あしたという日にかけて も
   それが そらの天秤でも

秤にかけるのは
過去か 未来
そのはざまで
今が揺れている
選ぶべきものなど
いずれは
見失う

前の週末は恋人と過ごし
来週の週末は友達と飲んで騒ぐ予定で
今週はさっきから電話の一本も
かかってはこない
そんな
第二土曜日に

全天からの雨が幾つか
無言で路肩に砕けず弾み
(信じられぬこの落下!)
もろもろの形に打ち砕かれた全身で捧げられるならば
その扉を閉められるならば

 (ここは人間が通り過ぎていた公園だろう)

週末には必ず去った貴方を誘い寄せている
指に固いたった一つのピンセットだ


自由詩 連詩 「第二土曜日」 Copyright 山田@連詩席亭 2004-05-08 23:49:29
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