海という名の、
灯和

 まだ熱の残る砂浜を歩けば
 私の中の?海?が呼応し始める。

  感情の波に流されないためには?
  自分の願いを叶えようとして
  自分の過去を認められないほど
  私達は幼かった
         けれどそれもまたひとつの思い出でしょう?

 この左手の小指に
 しっかりと結ばれた赤い糸は
 一体何に染められたというの
 キリキリと指をしめつけてできた
 傷跡から漏れる血 の色か
 風化して錆びついた涙の
 破片が溶けてしまったとでも?
        (そんなロマンは誰も欲しがらない)


 どうして、
 どうしてこんなに、
 掠れてしまったのだろう、私の?海?。
 突然、都合の良い神様が現れて
 例えば声、なんかを奪われやしなかったかい?

 君の息吹はまだ生きているけれど
 君にもう二度と、
 答えなど探させないように
 ?海?よ、その広さを私のために、
 
 ・・・少しだけ、分けてはくれないか。


自由詩 海という名の、 Copyright 灯和 2007-05-26 20:52:09
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