爪切り
服部 剛
ふいに
痒
(
かゆ
)
くなった腕をかいたら
思いのほか
しろい爪は伸びていた
( 窓の外には風が吹き
( 緑の木々が
( 夢を
囁
(
ささや
)
く声がする
はたはた
捲
(
めく
)
れる日めくりも
いつのまにやら
五月
(
さつき
)
の終わり
少しあわてて
引き出しを開け
わたしは ぱちり と
爪を切る
自由詩
爪切り
Copyright
服部 剛
2007-05-26 19:46:17
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