悲恋 Ⅱ
ajisai
僕は何も分かっていなかった
彼女が苦しんでいた事も
そのせいで去って行かなければならなかったことも
僕は理解できなかった
彼女が何を考えていたのか
何を感じていたのか
何に脅えていたのか
去って行った今になってようやく分かる
僕をどれ程に愛してくれていたのか
その愛ゆえに去らねばならなかったことも
そして僕にはもうどうすることもできないことも
僕は彼女ほどに愛することができなかった
包みこんであげることができなかった
僕は一人ぼっちだ
でも彼女の方がもっと孤独だったのだろう
今は彼女の幸せを願うことが僕の精一杯