悲恋 Ⅱ
ajisai

僕は何も分かっていなかった

彼女が苦しんでいた事も

そのせいで去って行かなければならなかったことも


僕は理解できなかった

彼女が何を考えていたのか

何を感じていたのか

何に脅えていたのか


去って行った今になってようやく分かる

僕をどれ程に愛してくれていたのか

その愛ゆえに去らねばならなかったことも


そして僕にはもうどうすることもできないことも

僕は彼女ほどに愛することができなかった

包みこんであげることができなかった


僕は一人ぼっちだ

でも彼女の方がもっと孤独だったのだろう


今は彼女の幸せを願うことが僕の精一杯


自由詩 悲恋 Ⅱ Copyright ajisai 2007-05-26 19:04:21
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