砂汀
hon
何を拾っているの
幼いほうの少年が訊ねると
人の骨を拾ってる
と半ズボンの少年は答えた
初夏の海辺を二人は歩いていた
緑色の半ズボンを履いた少年は
白い砕片だけを選んで拾っていた
――沖合の海では、よく船が沈んだからね
拾ってどうするの、と幼い少年
ああ、高台の墓地へ持っていって
立派なお墓に混ぜいれるんだよ
岬の突端ではウミネコが低く戯れ
砂汀には生ぬるい風が吹きつけた
――我々は昔からそうしてやってきたんだ
笑う少年の顔には年齢がなかった
自由詩
砂汀
Copyright
hon
2007-05-26 01:10:31