〜初恋〜(春夏秋冬)
愛心

春っぽい風が吹いて
君のプリーツスカートを揺らした。
急いでスカートを押さえつけた君だけど
ゴメンね。見えちゃった。
可愛い花柄のやつ。
健全な男子中学生なんだよ。
だから、どきどきしちゃったんだ。

夏っぽい風が吹いて
君の髪を揺らした。
甘い苺のにおいがした。
君のこと気になってるからね。
あの、スカートのときから
だから、どきどきしちゃうんだ。

秋っぽい風が吹いて
君のハンカチを飛ばした。
微笑みながら渡したら
「キザ・・・」って言われたけど
嬉しそうな笑顔と、君のありがとうに
やられちゃった。

冬っぽい風が吹いて
君のマフラーを揺らした。
雪も降ってるし
誰もいない。
マフラーを引っ張ると
あんまん食べてた君の口に、キスをした。
あんこの味の後に、軽いビンタがやって来た。

暖かい風が吹くようになって
サヨナラの季節がやって来た。
学生服の第二ボタンをちぎると
無理やり君の手に握らせた。
君はセーラー服のリボンを外すと
僕の手首に結んだ。
君は第二ボタンに。僕はリボンに。
相合傘を書いた。










僕の会社のデスクの中には
古いリボンが入っている。
デスクの上には妻と僕と子供の写真。
妻の首には、古いボタンが
ネックレスのようにかかっている。





自由詩 〜初恋〜(春夏秋冬) Copyright 愛心 2007-05-25 21:28:07
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