薔薇の夜
白昼夢
また薔薇に火を付けて、煙を吸い込んだ。
吐き出した煙は薔薇色ではなかった。
気がつくとフィルタまで燃えている(これは吸えない)
薔薇が燃えていく。
薔薇色の煙はでない、白い煙だけが昇っていき、空中に消えていく。
黒い悪魔が体の中を徘徊してゆく。
そうして枯れた薔薇みたいになってゆくのだ、私も。
火をつければ、紙が燃えてゆく。
私もいずれ、棺桶に火をつけられて、煙草の燃え滓みたいになってしまうのだろう。
その煙草はまるで私の人生に見えた。
今日もまた私は人生に火をつけて。
自由詩
薔薇の夜
Copyright
白昼夢
2007-05-25 05:56:21