天界大戦争
はじめ

 12枚の羽を持つ天使長ルシファーは神に背いて自らの王国をつくりだそうとした
 ルシファーの誘惑によって全ての物体より数の多い天使達の3分の1が寝返ったのだ
 そうして天界大戦争が起こった 僕は熾天使ミカエル様率いる神の陣営の中の一天使としてルシファー軍と戦うことになった
 僕は天上の神の宮殿を守る兵士を任されて一日中警備にあたっていた 太陽の陽が暑く 明治エクセルスーパーカップでも食べたい気分だった しかし警備中にアイスなんぞ食べられるわけがなかった 僕は純白の羽で扇ぎながら涎を垂らしてアイスを食べるところを想像していた 相当間抜けな顔だったのだろう 先輩の兵士に槍で頭を叩かれた 今度いらぬことを考えていたらクビだぞ!! と怒られている時 突然 屋根を守っている兵士がルシファー軍が攻めてきたぞー!! と大きな声で叫んだ 僕達はふっ と表情を変え 遙か彼方雲の向こうの青空を眺めた すると暑さで歪んでいる青空が次第に白く染まっていき やがて無数の軍勢がこっちに押し寄せてきた 物凄い轟音というか怒号が聞こえてきて 途中で食い止めようと戦っている兵士達がどんどん墜落していくのが見えた 大変なことになった
 先輩の兵士は お前はここを動くな! 俺は前線に行って食い止めてくる!! と言い残して 巨大な翼をはためかせて膨大な量の軍の群れの中に飛び込んでいった 僕はこんな経験初めてだったので緊張してガクガク震えた 天使達の軍は武器を打ち鳴らす音を響かせて雲を掻き消して宮殿に向かって突き進んできた 僕は他の兵士達を見て よし! やってやるぞ! という意気込みで槍を構えて軍の波が攻めてくるのを待った こっちの軍勢はいとも簡単に破れていって 地上へと落ちていった もうMAXで戦いの声が辺りを支配している
 最後の雲を突き破って軍勢は宮殿を攻めてきた その顔は天使の顔ではなかった 自分の欲望に満ち溢れた表情をしていた 一人の天使が両手で剣を持って僕に振り下ろしてきた 僕はすかさず槍を横に持ってそれを受け止めた が あっちの方が勢いが強過ぎて僕は雲の上に倒れ 鼻の先まで刃を向けられた
 もうこれ以上耐えきれないと思ったその時 宮殿の空の彼方から ミカエル様率いる大量の軍勢が光の如く現れて 一瞬にしてルシファー軍を蹴散らした 僕はミカエル様に抱き起こされて 大丈夫か? とお声をかけて頂いた 端正な顔立ちと強靱そうな体は味方の僕までも圧倒し おののき深々と礼を述べた
 ミカエル様はうん と頷くと またもや光の如く飛んでいって ルシファーと直接対決を挑みになった 遙か離れたここまでも聞こえてくる剣のぶつかり合う音 敵を仕留めた天使達も一瞬手の内を止めて 二人の戦いに見とれていた 結果ミカエル様はルシファーを倒して ルシファーは天上から追放され 地に投げ落とされ地獄の主となりサタンとなった 反乱軍の天使達はサタンに従う悪霊となった
 ルシファーはその後 蛇に化けて人類の祖先であるイヴに禁断の木の実を食べさせたという


自由詩 天界大戦争 Copyright はじめ 2007-05-25 05:19:25
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