世界の終わりに流れる詩(うた)
アマル・シャタカ

壊れた蛇口から君の悲しみは流れ消えてゆく
もう輝かない電灯は心の闇を照らして
一人残された君に
世界は崩れ落ちながら優しく思い出させる 
愛する人がいたことを

大地は裂け地鳴りが歌う 
君が愛した人と過ごした日々を

壊れたオルゴールが君の懺悔を虚空に奏でて

涙枯れ果てた君の瞳から叫びが零れ落ちるとき 
君は見るだろう
叫びに濡れた大地から芽吹く生命の樹を
そして君は聴くだろう
消えゆく魂の音色に合わせて
生命の樹が詠う詩(うた)を

気づいたのなら遅すぎることはない 
愛するもの達よ
愛は生じもせず滅しもしない
君が愛を渇望するなら
この生命の樹のように
世界が終わりを迎えるときでさえ芽吹くのだ
だからこそ世界に始まりも終わりもない
思い出してごらん 
君に触れた人のぬくもりを
からめた指を 
君の心が震えた日々を
君は一人ではないのだよ
愛は終わらないのだよと


自由詩 世界の終わりに流れる詩(うた) Copyright アマル・シャタカ 2007-05-25 02:47:08
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