一緒
はじめ

 君は踊り続ける
 君のような人間はいない
 僕と合わせてくれるような人は
 一緒にスコーンを食べてくれて
 一緒にファンタグレープを飲んでくれる人
 一緒にお風呂に入って
 一緒に髪を乾かしてくれて
 一緒にベッドに横になってくれて
 昔の話をしてくれたり
 君の二重はなんて美しいんだろう
 触って 撫でて 白い歯を摩って
 キスをして
 ベッドには白いバラのようなシーツの皺ができていて
 程良い光と風が少しクリームががったカーテンに染め揺らしてる
 家には誰もいない
 潮の香りが満ちている
 家を出て角度のある坂を下っていって砂浜に出る
 海だ
 船とヨットとグライダーが海と空に浮かんでいる
 ひょっとして秘密の洞窟に僕達は隠れているのかな?
 けど洞窟にもいなかった
 散々探し続けた結果 夕暮れになり僕だけの影を見つけた
 君のいない夜を砂浜に座って満月を見ながら過ごす
 月は海に沈んで光を洗い落とす
 月の光は月の垢だ
 月の光は海を流れて海の精霊達は重油が漏れた時のように騒ぎ出す
 海底の深淵では人魚達の涙が宝石となって無数に沈んでいる
 人魚達はどこにいるのだろう
 僕の心は海底の深淵のように入り組んでいて…
 マグマがいつ噴火してもおかしくない
 濃密な闇が満ちている秘密の洞窟の先へと足を運ぶ冒険者達
 僕は海でも空でも無い場所に浮かんでいる
 薄いコーヒーのような闇が目の前に広がっている
 君の影を探す為に月に宇宙を照らしてくれるように頼む
 いつも一緒だよ
 僕達は共にくっつき合って幸せを育ませてもらっているんだ


自由詩 一緒 Copyright はじめ 2007-05-24 05:16:35
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