木ノ声
服部 剛
木々が立ち並ぶ隙間の向こう
若い女が赤いグローブはめて
いかつい男がかまえる黒いグローブに
パンチを連打していた
背後の一本道からやってくる
よれよれのマラソンおじさん
木陰に立つぼくの傍らを通りすぎ
スパーリングする男女の傍らを通りすぎ
見上げると
頭上を覆う大きい木は
吹きゆく風に身を揺らし
重なる葉群れの笑い声
木陰のぼくに
ふりそそぐ
自由詩
木ノ声
Copyright
服部 剛
2007-05-23 18:31:32
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