『左手』
しろいぬ


その左手の控えめな熱

僕の右手にそっと残って 温めてくれる

またねと笑って こぼした涙

心の奥にずっと残って 「愛してる」と、


互い違いの手を繋ぎ 並んで歩いた帰り道

交わした会話はたわい無く

でも空白を確かに埋めて

重ね行く明日を信じるに足りた


その左手の控え目な熱

僕の右手がぎゅっと握って、温めるから

明日をふたりで重ねて行こう

繋いだ手を離さないで

真っ直ぐを眼差して

笑いあえる明日を

ふたりで

「愛してる」と、誓って





自由詩 『左手』 Copyright しろいぬ 2007-05-23 16:42:11
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