セイタカアワダチソウ
麻生ゆり

セイタカアワダチソウは
他の植物の
成長を抑える物質を出し
いつの間にやら増えてゆく
あっという間に増えてゆく
あれ、なんか
どっかの誰かさんと似てません?

 どっかの誰かさんは
 自分のことだけ考えて
 周りを取り囲むもの全て
 どんどんどんどん傷つけて
 どんどん駆逐していった
 誰かさんが気がつくと
 辺りには何一つなく
 ただただ荒野が広がるのみ
 ようやく自分が見捨てられ
 一人ぼっちだって解っても
 もう手遅れ遅すぎた
 いくら淋しく思っても
 助けてくれるものはなし
 あわれ悲しい誰かさん
 きっといつしか死んじまう。

セイタカアワダチソウは
そのままどんどん増えすぎると
自分の出した物質のせいで
成長が止まってしまいます
それでもどんどん
増えてゆく
私には
足掻いているようにしか見えませんけど


自由詩 セイタカアワダチソウ Copyright 麻生ゆり 2007-05-23 14:19:47
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