【 哀れみ 】
豊嶋祐匠






  人身事故の現場を

  対向車線から

  目で流す俺は



  もう人間とは

  言えなくなった者を

  いぶかしく哀れんだ






  無意味に消費する

  日常のひとコマだと

  忘れ去る俺の事を



  あの人間とは
 
  言えなくなった者は
 
  どう、哀れむのだろうか。
 
 
 
 
 
 


未詩・独白 【 哀れみ 】 Copyright 豊嶋祐匠 2007-05-23 10:56:27
notebook Home