再帰
海月

世界の速度に背中を押されて
僕らはその歩みを止めること出来ず
黙々と前に進むしかなく
横目に座り込む人々を覗き込む

言葉の嘘に紛れ込ます優しさ
この一言が誰かを傷付けない
と、怯えて何も言えずに終わる

緩やかに下降して砕け散る
その真実(姿)から目を逸らす

乱反射を繰り返すリフレイン
行き交う人々の流れ
空気は気流を生み
静かに遠くに消えた
誰かの声は無常な響き
機械仕掛けの近代建築
重圧に圧縮された

手を差しの伸ばせば掴むのは
渇いた愛情と渇いた情熱

何かに真面目に取り組むことは駄目な事?
情熱が冷えた統計を求める
過程じゃなく結果を求める

心、再帰可能。
本当の自分を呼び出せる?

答えのない問題を繰り返し
いつも同じ所まで回帰を繰り返す

周りはいつも武装体制
筆は銃に変わり出す
明日は君の命を打ち落とす

誤魔化しの効かない世界
僕の右手を動かすのは
恐怖か欲心か
僕の左手を動かすのは
罪の意識なのか

記憶の中で思い出が飛躍するのは
僕の最後を何処かで知らせているのでしょうか?

感情と思考が混ざり合い
見た事もない色を作り出す

僕は自然と歩く事を止めていた
世界は僕の前を歩いていた


自由詩 再帰 Copyright 海月 2007-05-23 00:58:59
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