氷
暗闇れもん
窓際に並べた氷がとけていくのを眺めていた
わたし以外に誰もいない
広い部屋の中で
ひざをかかえるように小さくなって
息を潜めて
日が落ちて暗くなっていく
とけた雫か
わたしを伝って流れ落ちていく
すり合わせた足の間にも
熱を帯びた体を冷ますようにあふれていく
あふれていく
氷がとけていく音は
わたしではない誰かの名を呼んだ
自由詩
氷
Copyright
暗闇れもん
2007-05-22 22:27:37
縦